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平凡な男フランソワは、宝くじで得た大金を元手に、
飾り窓の中で生きる絶世の美女ダニエラに大胆な申し出をする。
「お金が続く限り、僕と暮らしてほしい」。それを受け入れたダニエラは
「優しくすると約束して」とだけささやき、彼の部屋に引っ越してくる。
こうしてフランソワの夢見た日々が始まるのだが、
心臓が悪いフランソワには妖艶なダニエラとの生活は
あまりにも刺激的過ぎて…。

モニカ・ベルッチという稀代の女優のためにつくられた、いわばオートクチュールのような映画。監督は出世作『バルスーズ』をはじめ男女が絡み合う衝撃的な性と愛をテーマにしてきたフランスの鬼才ベルトラン・ブリエ。彼がギャスパー・ノエ監督作『アレックス』でモニカの演技を見たことが、すべての始まりだった。ブリエ監督は彼女を絶賛する。「映画史においてこれほどの存在感を示した女優はいない。あのマリリン・モンローでさえ及ばない」。そんなブリエが自ら脚本を書き、スクリーンに描き出したモニカの美しさは頭の先から脚の先までパーフェクトである。濃厚なベッドシーンで惜しげもなく披露する裸体は、熟れた果実のような色香を漂わせる。豪華な衣装をまとったモニカもまた艶やかだ。何しろカルティエ唯一のアンバサダー(親善大使)を務める美の化身。プラダ、ディオール、ドルチェ&ガッバーナといった高級ブランドが彼女の魅力を一段と際だたせる。

モニカ・ベルッチが演じるヒロインは飾り窓のなかに生きる娼婦ダニエラ。宝くじで大金を手にした会社員フランソワに「当選金が底をつくまで一緒に暮らしてほしい」と口説かれ、同棲を決意する。彼女はささやく。「特技は愛されること」。心臓が悪いフランソワにとってダニエラとの刺激にあふれた生活はきわめて危険だったが、ベッドで愛し合い、旅行に出かけ、楽しい日々を過ごす。しかし、そんな暮らしは長くは続かない。突然、ダニエラは部屋から姿を消し、彼女の愛人の存在も明らかになる。ここに描かれるのは愛し合うことの喜びばかりでなく、むしろ恋愛における嫉妬や不安や苦悩。恋によって生み出される男と女それぞれの苦しみがときにシニカルに、ときに辛らつなユーモアを交えて浮き彫りにされていく。ドラマのバックに流れるイタリア・オペラが、この大人の寓話と絶妙に響き合う。フランス映画のエスプリにイタリア文化のテイストがブレンドされた、まさに極上のラブストーリーなのである。

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モニカ・ベルッチ
トップモデルとして活躍後、フランシス・フォード・コッポラ監督作『ドラキュラ』でハリウッドデビュー。『マレーナ』で女優としての地位を確立。代表作に『マトリックス リローデッド』『アレックス』『ブラザーズ・グリム』『パッション』他。1964年生まれ。

── ヌードシーンがかなり多い作品ですが、抵抗はありませんでしたか。

モニカ 私は、顔の表情と同じように、肉体には限りない表現力が備わっていると思っています。ですから、脱ぐことへの抵抗はありません。『アレックス』もそうでしたが、ヌードになることが役柄として重要であるなら、監督を信じてやってみるのが女優ではないでしょうか。その意味でもブリエ監督を全面的に信頼していました。ヌードシーンは多くても、作品としては非常に慎み深い映画だと思います。

── ベルトラン・ブリエ監督はあなたのためにこの映画の脚本を書いたそうですが、実際に彼と仕事をして、どんな印象を持たれましたか。

モニカ 私のために脚本を書いてくれたということにまず感激しました。彼は私がギャスパー・ノエ監督の『アレックス』に出演していたということ以外は、私については何も知らなかったそうです。彼の映画に出てわかったのは、彼が人並みはずれた感性の持ち主であり、映画を愛しているということ。そして俳優をとても大事にするということです。しかも「女とは何か」「どのようにして女性はできているのか」ということを考え続ける一人の男性でもあります。ただ、その答えを得るのはとても難しいことだと思いますが(笑)。

── ブリエ監督から演技に対する具体的なアドバイスはありましたか。

モニカ ダニエラはくよくよ悩んだりせず、常に男たちに求められる女だと説明してくれました。しかし、同時に非常に繊細な一面も持ちあわせています。そんな一人の女を演じるようにいわれました。

── 実生活では娘さんを出産されました。それは女優業にも何らかの影響を及ぼしましたか。

モニカ 母親になるのは私の夢でしたから。妊娠し、出産し、授乳することは私を幸せにしてくれました。撮影中は娘を仕事場に連れていきました。セックスシーンを撮った2分後には、娘に授乳するということもありましたが、私にとってはとても素晴らしい経験でした。女優業と母親業を行き来することはとても健全で自然なことです。仕事がきつくても、娘の存在がそれを忘れさせてくれるのです。

── 『ダニエラという女』という作品があなたにもたらしたものは何ですか。

モニカ 私はいつも、自分を前に進ませてくれるような大胆な役を演じたいと思っています。『アレックス』や『パッション』と同様に、今回のダニエラという役は私を女優として確実に成長させてくれました。

── あなたが演じたダニエラという役をご自分はどのようにとらえていますか。

モニカ 非常に複雑な女性ですね。「特技は愛されること。私はそういう女」というセリフがありますが、彼女自身は本当の愛というものを知りません。にもかかわらず男たちの欲望をかきたててしまう……そんな女性です。娼婦という設定ですが、服装はまったく娼婦らしくありません。クラシックな感じでスカート丈も普通、ピンヒールの靴やコートもそのままミサに行けるくらいきちんとしています。