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キトキト
 
石田卓也サイン&メッセージ入りパンフレット
 
富山の“キトキト!”特産品 高岡シンボル・銅器の“大仏さま”(提供:高岡フィルムコミッション)
 
エンディングテーマ ONE☆DRAFT「フルサト」CD

「パッチギ!」「フラガール」と、さわやかな感動を届けてきた製作チームが三度集結!主人公の優介と姉・美咲には石田卓也と平山あや。母・智子は大竹しのぶ。監督・脚本は井筒監督の助監督であった弱冠27歳の新鋭、吉田康弘。

型破りな母をはじめとするキトキト!な(=生きがいい)人々の姿にあらためて家族のすばらしさを思い出し、幸せな気持ちになれる作品となっている。

富山県高岡市。“スーパー智子ちゃん”は、 女手ひとつで子供を育てあげてきた評判の肝っ玉母ちゃん。
しかし娘の美咲は駆け落ちしたまま音信不通。 息子・優介は智子について行けず、逃げるように上京。
故郷を出て行った二人はホスト・ホステスに!? バラバラになった家族の絆はどうなってしまうのか......!?

商品詳細

主人公の優介と姉・美咲にはフレッシュな魅力で活躍中の石田卓也(「夜のピクニック」「リアル鬼ごっこ」)と平山あや(「バックダンサーズ」)、そして一筋縄ではいかない母・智子を演じるのは2年ぶりの映画出演となる大竹しのぶ。 家族のために全力で突っ走るどこまでも深い母の愛を表現、今まで見たこともない破天荒で強烈なキャラクターを熱演し、見るものを魅了する。ほか、尾上寛之、伊藤歩、光石研、井川比佐志など、バラエティ豊かな面々が映画をさらに盛り上げる。

監督・脚本は井筒和幸監督の助監督を務めてきた、弱冠27歳の新鋭・吉田康弘!自身の経験を反映させた母と子の物語をユーモアを交えながら見事に描ききった。ベテラン・大竹しのぶも「熱意があるだけでなく、才能が満ち溢れている」と大絶賛!

——当初はホストの世界がメインの映画になる予定だったそうですが。

吉田 1カ月以上、歌舞伎町のホストクラブに通って取材したんですが、ホストの世界だけの話だとちょっと映画としては難しいんで、もともと僕がやりたかった母と息子の話にして脚本を書きました。細かいエピソードなんかは自分の体験に基づいているところがありますね。たとえば、母ちゃんがいつも手首に輪ゴムを巻いているところとか、姉ちゃんがヤンキーだったこととか…(笑)。

——大竹しのぶさん演じる母親が強烈です。

吉田 大竹さんをキャスティングできたのは幸運だったし、嬉しかったですね。最初会ったときは緊張しましたが、ご本人から「ベテランだと思って遠慮しないで、どんどんダメ出ししてほしい」と言われました。でも細かい指摘が必要だったのは、僕と大竹さんのイメージするものがズレていた最初の2日間くらい。あとはおまかせに近い。一つ言えば十わかってくれました。やはり天才女優ですね。

——石田卓也さんも、これまでの作品では見られないほど生き生きしています。

吉田 彼は時代劇を始めいろんな映画に出ていますが、今回の役が最もふだんの彼に近いんじゃないですか。オーディションの段階から、彼本来のキャラクターを評価していましたから。撮影中もすごく楽しそうだったし、「こうやったら面白いんちゃう?」みたいなノリで、僕とは兄弟のようでした。

——舞台に富山の高岡市を選んだ理由は何ですか。

吉田 ホストクラブを取材していて一番面白い子が高岡出身だったんです。で、シナリオハンティングの段階で高岡に行ったんですが、海や山がある普通の田舎。商店街は昼間からシャッターが下りている。若者が町を飛び出す必然性があるわけです。まあ、そんな町は日本中にあるんですが、一つ面白かったのは日本三大仏に数えられる巨大な大仏の存在。この大仏を使えばちょっと面白いシーンが撮れるかなと思ったんです。それがどんなシーンかはDVDでぜひ観てください。

——本作で伝えたかったことは?

吉田 説教臭いことを言うつもりはないんですが、見終わったとき、一瞬でもいいから「親に感謝せなあかん」と思ってくれたらいいですね。そんな気持ちを抱くきっかけになったら嬉しい。

——師匠の井筒監督は本作を見てどんな反応でしたか。

吉田 細かいことは何も言わないですね。とにかく、僕が監督デビューしたことが嬉しかったんだと思います。食事をご馳走してくれて「これで、お前もヤクザの仲間入りや。気張って行き」と言っていただきました。

——本作の吉田康弘監督は27歳。石田さんとは年齢も近かったわけですが。

石田 これまで年の離れている監督と仕事することがほとんどで、初めて20代の監督と仕事をしました。すごくコミュニケーションがとりやすかったですね。僕が迷っていると監督自ら演じて教えてくれましたから。それがまたうまいんです(笑)

——大竹しのぶさんやお姉さん役の平山あやさんとは本当の家族のように見えました。

石田 あんなに楽しい現場はないっていうくらい楽しい現場でした。休憩時間もずっと話していたし、大竹さんは本当のお母さんみたいだった。僕はけっこう人見知りするし、平山あやちゃんもそう。二人だけならお互い話もできなかったと思うけど、大竹さんがいたおかげで、自然にみんなと打ち解けましたね。

——女優・大竹しのぶの印象は?

石田 とにかく切り替えがすごいですね。たとえば、何年も会ったことのなかったお姉ちゃんと東京のホストクラブで再会するシーンがあるんですが、それまで僕と笑って話していたのに「ヨーイ、スタート」の声がかかると、さっと役になりきり、ボロボロ涙を流しているんです(笑)。さすがだと思いました。

——石田さん演じる優介は富山から上京してホストになります。

石田 ホストのことは何も知らなかったし、あまりいいイメージもなかった。でも実際にいろいろ教えてくれたホストクラブの人たちは、みんなで町の掃除をしたり、親切でいい人たちなんです。苦労している人も、ワケありの人もいる。外見で人を判断しちゃいけないと思いました。僕自身はホストを演じたといっても売れない新人の役なんで、無理なく自然に演じることができました。

——大竹さん演じるのはずいぶんブッ飛んだお母さんですが。

石田 少し変わっているけど、自分の子供に愛情を注ぐという点では普通の母親です。それは僕が演じた優介も同じ。どこにでもいる反抗期の男の子であり、自分はどう生きていけばいいのかっていうごく普通の悩みを抱えている。実は僕も反抗期のとき、母が包丁を持って部屋に入ってきたようなことがありました。母親の子供に対する愛情って中高生の頃はわかんなくても、大人になったら、ちゃんと理解できるんじゃないですかね。

——石田さんのお母さんはこの映画をご覧になられましたか。

石田 はい。「いい話だね」と言ってくれました。それだけなんですが、僕はこの映画を母が見てくれたことが何より嬉しかった。他の映画以上にその思いは強いですね。それは僕が一番役を理解して演じることができた映画だし、自分自身も優介と同じような悩みを抱えた時期がありましたから。親に面と向かって「ありがとう」とはなかなか言えないけど、この映画を通して「お母さん、ありがとう」と言えたんじゃないかな。そんな気がします。

© 2007 キトキト!家族魂。